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テクノジムは全製品について詳細な分析を行い、技術的、科学的な機能を検証しています。

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医科学研究

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テクノジムの医科学研究チームは、最新の研究成果をすべての製品やソリューションに反映することを使命としています。また、ウェルネスのあるライフスタイルを全世界に普及させるためのキャンペーン、学術会議やセミナー、出版、一流の研究施設とのコラボレーション等、各種の活動を行っています。

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研究開発(R&D)

研究開発(R&D)

テクノジムのR&Dは、利用者がウェルネス目標を達成するための製品やソリューション開発に貢献しています。開発には一機種当たり平均2万時間を費やし、さらに厳重な品質管理と徹底的なストレステストが行われます。

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近年の刊行物

発作性運動失調症1型は、「カリウムチャネル」の遺伝子異常により、細胞で異常なカリウム成分が合成されるか、正常なカリウムイオンの活性が阻害されることで発症

Imbrici P1, D'Adamo MC, Grottesi A, Biscarini A, Pessia M.

発作性運動失調症1型(EA1)は親から受け継いだ原因遺伝子(優性遺伝子)を持っていると発症するおそれのある病気です。ミキオミア(けいれん)が続いたり、一時的に思い通りに体が動かせなくなったりすることが特徴です。KCNA1と呼ばれるカリウムチャネル(カリウムイオンの通り道)の遺伝子が変異すると、その通り道に異常が起こり、さまざまな不調を引き起こす中でEA1を発症してしまいます。脳の中で、Kv1.1というカリウム成分がKv1.4という異常な因子と結びつくと、正常なカリウムイオンの活性が阻害されてしまいます。これをN型不活性化と言います。この不活性化の起こる確率はKv1.4の数と異常を引き起こす成分の量によって決まります。N型不活性化がEA1発症の原因になることから、予防には細胞に現れる異常な成分を減らすか、Kv1.1がKv1.4と結びつくのを減らす、あるいはKv1.4の不活性化の作用を弱めることが必要と考えられます。この仮説を検証するため、EA1に変異した遺伝子を選んでその中にあるKv1.4やKv1.1の発現量をmRNAへの転写量(コピー数)として定量化したほか、S6などのタンパク質の中や卵母細胞にKv1.1を注射して不活性化率を定量的に測定しました。その結果、S6から変異したV404IやV408Aというタンパク質は正常な細胞として現れ、正常なタンパク質の活性が阻害されるのを防ぐ働きがありました。一方S1から変異したI177NやS5から変異したE325Dというタンパク質には異常な成分が現れ、Kv1.4の化学量論的増加に伴うN型不活性化が多く見られました。

2型糖尿病患者向けの運動とエクササイズ―イタリアの糖尿病とエクササイズ研究の役割

Zanuso S1, Balducci S, Jimenez A.

エクササイズは公共の保健活動として、健康な体づくりに効果があるものという認識が大きく広がり、2型糖尿病の予防や治療の手段としても普及してきました。心の健康や満足な暮らしなどの生活の質(QOL)の面にも見えない効果があるという点でも注目を集めています。多くの人が、生活の質を向上させるための運動の効用を感じており、健康関連QOL (HRQL) という概念がさまざまな角度から研究されています。具体的には運動機能、社会的な作用、暮らしの満足感、気分や感情、自尊心、自己認識、認知能力、睡眠の質などが挙げられます。体を動かす体験や健康づくり体操については、これまで数々の研究がされてきましたが、2型糖尿病の患者にも同じような効果が見られるかという検証はあまりされてきませんでした。この論文は2型糖尿病の患者にカウンセリングやアドバイスをするにあたり、体系的な運動の効果をまとめたものです。臨床ではもっと効果的な支援を学ぶ必要があるとしても、予防の手段としてエクササイズを導入する際には患者一人ひとりに合わせたメニューと、訓練されたスタッフとの長期にわたる協力関係が必要であることは明らかでしょう。

エアロビクスマシンを使用したエクササイズ中に起こる快感について

Carraro A1, Gobbi E, Ferri I, Benvenuti P, Zanuso S.

[要約]この研究は3台の有酸素運動マシンで短時間のエクササイズセッションを行う際に感じられる気持ちよさや爽快感について調査したものです。調査にはトレッドミル、エリプティカル・クロストレーナー、Vario(ヴァリオ)が使われました。実験に参加したのは日常的にエクササイズを行う人72名と、日ごろエクササイズをしない人60名です。被験者は、各マシンで運動をした後すぐに、12項目の運動満足度スケール(PACES)と、運動の爽快感について視覚的評価スケール(VAS)に記入しました。結果、すべての項目で被験者ごとに顕著な違いが見られました。トレッドミルとヴァリオを使ったエクササイズの気持ちよさは同程度で、いずれもエリプティカル・クロストレーナーより気持ちよさや爽快感が上回るという結果になりました。運動経験者と未経験者では、爽快感の程度に違いがありました。スポーツトレーナーのように有酸素運動を指導する立場にある人は、モチベーションを上げてやる気を維持するため、使用するマシンによって気持ちよさが変わるというこの調査結果を考慮するのが望ましいでしょう。

レッグエクステンション・エクササイズの動作において、前十字靭帯の損傷を防ぎ、膝関節を安定させるハムストリングス各部位についてのシミュレーション研究

Biscarini A1, Botti FM, Pettorossi VE.

オープンキネティックチェーンのニーエクステンションを行っている最中に、ハムストリングスの各筋肉が、膝関節にかかるずれや圧縮方向の負荷に対して共収縮する際の影響力を、バイオメカニクスモデルでシミュレーションする技術が開発されました。このモデルでは膝を屈曲する角度(図は本文参照)や速度、加速度、強度の変化、方向、外部からの抵抗を受ける位置などの値を即座に算出することが可能です。靭帯せん断力(TFSF)は前十字靭帯(ACL)と後十字靭帯(PCL)にかかる張力で決まります。四頭筋の収縮による靭帯(ACL)への負荷から起こるせん断を弱めるのに最も効果的なハムストリングの筋肉は、大腿二頭筋です(図は本文参照)。この域内では、ハムストリングスの内側にある半膜様筋が靭帯に最も圧縮する力をかけています。これが関節を安定させ、靭帯が前後に引っ張られるのを防ぎ、靭帯を守る働きをしているのです。半膜様筋を覆うようについている半腱様筋の力で、靭帯(ACL)への負荷から起こるせん断の危険を最も弱めることができます(図は本文参照)。一方、膝関節を圧迫する力は最大になります(図は本文参照)。しかし、半腱様筋の働きは小幅な生理的反応に限られています。 ハムストリングは四頭筋の収縮による靭帯(PCL)への負荷から起こるせん断の危険性を高める独特な働きをします(図は本文参照)。靭帯(ACL)への負荷によるせん断を抑えるため、ハムストリングスの複数の筋肉が同時に活動するレベルは、膝関節を屈曲する速さが変化するのと並行して、外部からの抵抗に一箇所で対応するため、膝伸筋のトルクを一定に保つことで、相当変化します。リハビリで膝を伸ばす運動を安全かつ効果的に行うにあたって、靭帯(ACL)の保護や膝関節の安定のために、ハムストリングスの各部位がもつ役割や適切な活動レベルについて知るのは必要不可欠なことです。

カーディオ機器のマルチメディア画面のポジションを設定するためのプロトコルの開発

Bryan Roberts, Ashley Gray, Francesco Bertiato , Paolo Benvenuti , Silvano Zanuso, Ross Weir and Mike Caine

カーディオ(CV)エクササイズマシンにさまざまなメディアを集約したディスプレイを搭載することで、運動を継続する意欲や向上心を刺激することが期待できます。しかし、カーディオマシンのディスプレイ上で、視聴と操作を同時に実現させるのは困難です。何故ならその姿勢が、人間工学的に望ましくないものになるためです。マルチメディア・ディスプレイは現代的なエクササイズマシンに求められる「マスト」機能でありながら、科学的評価が行われていません。この研究は、カーディオ機器の画面固定を人間工学的に判断するためのプロトコルを開発することを目的にしています。ユーザーにタッチと視聴を体験してもらい、どの画面ポジションを選ぶのか、次の3つの設定を用いて比較しました。
1. ISO 11064「人間工学―コントロールセンターの設計―第 4 部:ワークステーションの配置及び寸法」などの文献に基づく数値を使用
2. 自由に動かせる画面を使用
3. 協力企業の設定を使用
この研究ではトレッドミルと固定式アップライトサイクルで運動中の、スクリーンの高さ、角度、距離を調査しました。レクリエーション好きな大人の被験者7名(平均28歳、年齢幅6歳)が、眼高別に抽出されて選ばれました(1位、29位、50位、82位、97位)。それぞれのカーディオ機器について、3種類の画面ポジションと、2種類の操作状態で、5分間の運動を計6セット実施しました。 被験者はヘッドフォンを着けて、画面上でゲームをするか、テレビの視聴のみを行いました。バイクの場合、シートの高さにLemond係数(SICI, 2010)を用い、被験者は既製のエクササイズポジション3種類(ノーマル、シティー、クロノ)から選択しました。運動条件については、被験者のグループ内で釣り合いが取れるようにしました。トレッドミル、バイクともに、中央値の被験者は自由に動かせる画面がよいと回答しました。しかし、メーカーが設定したポジションにもあまり不満はなく、文献による理論上の値よりも好まれる結果になりました。文献に基づく画面ポジションは、人間工学的な見地からエクササイズに特化した要件の理解に欠けるとして「合わない」ことが際立つ評価となりました。研究を通じて得られた望ましい画面の高さ、距離、角度には、メーカーの専門家による意見も反映されています。こうして、トレッドミルとアップライトサイクルで運動をする際に、平均的な眼高をもつユーザーグループにタッチスクリーンの「ベストポジション」を提供することを目標に、好まれるディスプレイのポジションを詳しく分析する、人間工学的な評価方法を新しく確立しました。将来はこの研究分野の第一人者を置き、エクササイズマシン利用時のユーザー体験を向上させるという最終的な目的のもと、人間工学の分野で開発を進めてまいります。

エクササイズ方法の違いによるインシュリン感受性の変化について、研究結果のレビュー

Mann S, Beedie C, Balducci S, Zanuso S, Allgrove J, Bertiato F, Jimenez A.

2型糖尿病が進行すると失明や腎不全など深刻な症状が出る恐れのあることが広く知られています。この2型糖尿病は、運動不足の人に起こりやすいことが証明されていますが、運動することでブドウ糖を消費すると、血糖値を改善することが可能です。ここでは糖を運搬する「4型グルコース輸送体」によってインシュリン感受性(インシュリン受容体の働き)の維持・改善などの効果を生むメカニズムを提唱します。しかし、インシュリン感受性を改善するために最適な運動の形態、頻度、強度、継続時間は未だ特定されていません。本稿では、有酸素運動、筋力トレーニング及びそれらを組み合わせることによる血糖値コントロールやインシュリン感受性への効果について言及された34編の論文を精査しました。個々の医療介入について、影響の大きさや信頼区間の詳細が報告され、メタ分析が行われました。エビデンスの品質を暫定的にランク付けし、ベストプラクティスを推薦しました。

ダンベル/バーベルとケーブル使用のバイセプスカール・エクササイズについての生物力学的考察

Andrea Biscarini, Rita Borio, Francesco Coscia, Giovanni Mazzolai, Simonetta Simonetti, Gabriella Rosi 

ダンベル/バーベルとケーブル使用のバイセプスカール・エクササイズの二次元モデルが、準静的状態と当運動性状態の二通り開発されました。関節がダンベル(Mg)とケーブル(c)からの負荷を受けたときの影響度合いを上腕二頭筋の力(F)、三角比の正接(ft)、ノーマル(fn)という構成要素に即して表すために、関節の角度(q)など、関連条件を与える値を使って推定しました。立位またはプリーチャーベンチに座ってダンベルカールを行うとき、ひじを曲げる限界の角度(q)がq*=27.4°で、上腕二頭筋の力(F)と三角比の正接(ft)の値が最大になります(プリーチャーベンチの傾きは0²a²90°-q*の範囲内)。増加の条件は、a) Fの初期の値と、F・|fn|の最大値の増加(それぞれ15Mg、14Mgまで)、b) Fの急激な減少(F=0のとき*qと180°-aの間)、c) ft(q)がひじの低い角度に向かって移動することです。a³38°では、関節の可動域が[0,180°-a]の間で関節の負荷が圧縮型(fn<0)になります。ケーブルカールでは、プーリーの中央からひじ関節までの距離の値(dP)が大きく、立って行うダンベルカール(a=0)と同じ結果が得られます。dPが最小値に近づくときの予測モデルは以下の通りです。a) q=0以上のとき、Fが急激に増加しfnとftが急激に減少する、b) q=q* のときFと|fn|が最大値になる(それぞれ15c と13cまで)、c) q=100°より大きいとき、fnのけん引力が2cよりも小さく、Fはほぼ一定の値(3cまで)になる。

蝶番関節の状態変化および外的負荷について

Andrea Biscarini

大きな外的負荷を伴う場合も含めたダイナミックエクササイズにおける、筋肉のモーメントアーム(支点から運動点までの長さ)の変化について予測、説明を行う二次元モデルが開発されました。関節をまたぐ筋肉のモーメントアームの角度や、筋がどういう位置に付いているかで、単軸性の蝶番関節の理想的な動かし方が変わります。そこで、骨につく起始点から付着点までの最短距離に沿った理想的なケーブルのように筋肉をモデル化しました。筋肉の力と関節の抑制反応の比率は、ウエイトなどの外的負荷の重さによって決まることが分かります。準静的運動や静的な運動では、関節の角度や角運動の速さなど、図形的な条件を与える諸要素によってモデルが決まります。そのため、準静的運動の際に関節にかかる負荷のピークの値に前もって備えるためには、外的負荷の重さ、関節を屈曲する速さ、関節可動域の限界を相互に調節する必要があるのです。上腕二頭筋にかかる力が一定であると想定して、筋肉のモーメントアームが変化することを重要な働きとして焦点を当てることで、前腕屈伸の動的変化を数値化してシミュレーションすることが可能になりました。重力に逆らってウエイトを持ち上げる際のけが防止に有用です。例えば、全可動域にわたって動かすことで筋肉のモーメントアームが変化した結果、関節に作用する平均負荷と最大負荷がそれぞれ5%と14%軽減しました。

セレクトライズド・ストレングストレーニングマシンによる筋力測定

Andrea Biscarini

この研究では、シングルジョイントで可変抵抗型のセレクトライズド・ストレングストレーニングマシンで運動する際に、関節が瞬間的に発揮する力を正確に解析して示しています。測定に際しては、マシンの可動部品(抵抗入力レバー、カムプーリーシステム、ウエイトスタック)と、ユーザーがトレーニングで動かす部位の両方について図形、運動、力学などに関する全ての変化を考慮しています。カムがあるときに、抵抗入力レバーの回転運動の変数を使ってウエイトスタックの直線運動の変数を求めたり、あるいはその逆を求めたりする数値的なアルゴリズムも設計しました。ウエイトスタックの上などに設置したリニアエンコーダや、抵抗レバーの回転軸上に設置した角度エンコーダで測定すれば、収集したデータを使って、関節の力の瞬時値と平均値を精密に測定することができます。特筆すべき結果としては、レッグエクステンションのマシンでひざを伸ばすエクササイズでは、ウエイトスタックの質量と速度のみ考慮して得られたデータを比較すると、関節の力の瞬時と平均の値は実に50%以上異なっていました。このような違いは高強度なエクササイズのときだけでなく、可動域の中で関節の速度や加速が相当増したときには必ず顕著に現れました。

イタリアにおける糖尿病と運動の研究(IDES)―複数の協力施設において、2型糖尿病とメタボリックシンドロームの患者に集中的な治療介入を試行するための設計と手法

Balducci S, Zanuso S, Massarini M, Corigliano G, Nicolucci A, Missori S, Cavallo S, Cardelli P, Alessi E, Pugliese G, Fallucca F; Italian Diabetes Exercise Study (IDES) Group.

背景とねらい―IDESは、イタリアにおいて複数の協力施設で対象者を無作為にグループ分けして医療介入を行う取り組みであり、2型糖尿病とメタボリックシンドロームの多くの患者が心血管疾患(CVD)を引き起こす危険因子のうち改善できるものについて、患者の生活習慣に集中的に介入を行った場合の効果を評価することを目的とします。
手法と結果―被験者は2型糖尿病でウエストが男性94cm/女性80cmの人と、男女とも40~75歳でメタボリックシンドローム因子数が1以上(IDF判定基準)、BMIが 27-40 kg/m(2)、糖尿病を罹患後1年以上経過、運動不足6カ月以上の合計606名です。患者は無作為に2グループに分けられました。被介入グループは有酸素運動と筋力トレーニングの複合エクササイズ(週150分)を処方され、12カ月間監督下に置かれました。対照グループは従来通りの方法で運動カウンセリングなどを含む自己管理の指導を受けました。被介入グループの結果としては、血糖値の高さを示すHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値が低下しました。二次的成果としては、従来型および新規に確認されたリスク要因と、運動の量や強度、健康状態(ブドウ糖、脂質、降圧剤の摂取、10年間の脳血管障害リスク、健やかな生活、医療費)との関係性が確認されました。
結論―メタボリックシンドロームをもつ2型糖尿病患者の改善可能な脳血管障害リスク要因を減らす目的で、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたメニューを処方し確実な実行を促すことは、従来の運動カウンセリングより効果的であることが証明されました。

インクラインスミスマシンで前後傾スクワットを行う際の関節のトルクと反力

Andrea Biscarini, Fabio M. Botti, and Vito E. Pettorossi

この研究では、インクラインスミスマシンで前後傾スクワットを行う際に、関節の回転力や負荷を算出するバイオメカニクスモデルを開発しました。スミススクワットは体のポジショニングの種類が多く(胴の傾き、足の置き方、関節の角度の組み合わせなど)、つま先とかかとへの体重配分が容易です。これらのエクササイズの特性は、マシンの傾きを利用することで、特定の筋肉群を刺激すると同時に特定の関節部分への負荷を軽減できることです。マシンの後方への傾きによって膝関節のトルクや脛骨大腿骨関節、膝蓋大腿関節の強縮が弱まる一方、腰や仙骨のトルクは強くなります(前方の場合は逆になります)。膝の屈伸角度が小さいとき、マシンの前傾に沿って膝関節の靭帯(後十字靭帯)にかかる張力が強くなり(後傾の場合は弱くなり)、膝の屈伸角度が大きいと、この動きは逆になります。マシンを後方に30度傾け、足首と腰の角度を組み合わせて膝の角度を最適な状態にすると、膝を曲げる角度が0~60度のとき、前後の十字靭帯にかかる負荷が軽減されます。マシンを後方に傾け、足裏への加重を均一またはつま先にかけてスクワットを行えば、前十字靭帯に負荷をかけず安全な状態を保つことができます。こうして前十字靭帯にかかる張力の調節方法が明らかになりました。

水中リハビリテーションのニーエクステンション・エクササイズで膝関節にかかる負荷のモデル化

Biscarini A1, Cerulli G.

水中でのニーエクステンション・エクササイズ中に膝関節にかかる負荷を計算するため、バイオメカニクスと流体力学理論を使ったモデルが開発されました。抵抗を受ける面積を増やすため、角を丸めた長方形の抵抗器をすね部分に設置することで、流体力学的な抵抗をストリップ理論アプローチで判定します。分析すると、関節の角度(θ)、角速度(θ)、角加速度(θ)、抵抗器の比重、長さ(L(x))、幅(L(z))、厚さ、流体力学的抗力の平均、付加質量係数から、膝の靭帯にかかる負荷として、靭帯を骨に結び付ける力(F(PT))、軸力(phi(n))、せん断力(phi(t))という3つの力が導き出されます。仮説の値と実験による運動のデータが一致すれば、反作用の問題も解明することができます。靭帯にかかるF(PT)、phi(n)、phi(t)の最大値を調節するため、また膝関節の可動域(ROM)の中で最適なポジションをとるために、抵抗器の性質と筋肉の活性レベルは相互に調整が可能であることが、実験から明らかになりました。負荷の軽い抵抗器、L(x) < = 0.3 m かつ L(z) < = 0.4 mを使用した場合、筋肉の活性化の度合いに関わらず、可動域全体にわたって膝関節の前十字靭帯(ACL)への負荷は検出されません(phi(t)>0)でした。結果として、水中エクササイズは前十字靭帯を手術した後のリハビリテーション・プログラムを安全、効果的に実施できる手段であることが明らかになりました。また、膝をひねって太ももの筋肉から偏った力が生じ、関節に過度のせん断力がかからないよう常に注意することも必要です。

スミスマシンでスクワットをする際の関節のトルクと負荷のモデル化

Biscarini A1, Benvenuti P, Botti F, Mastrandrea F, Zanuso S.

スミススクワット・エクササイズの特性、およびバーベルを使用したフリースクワットとの主な違いを、生体力学の観点から明らかにするモデルが開発されました。スミススクワットは主に筋肉動作や関節への負荷の配分を調節するエクササイズと位置付けることができます。膝を一定の角度(θ(knee))にするためには、胴体を前傾させ、足が膝より前になる体勢を取り、体重をつま先側にかけないようにすることで、腰と仙骨のトルクを上げます。一方で、膝のトルクと膝関節や膝蓋にかかる圧力は減少します(逆の場合も同様です)。膝関節にかかるせん断力(φ(t))はさらに複雑な動き方をしますが、これはθ(knee)に大きく左右されます。180° ≥ θ(knee) ≥ 130°の条件では、足首と腰の角度を適切に組み合わせると、膝関節にかかるせん断力(φ(t))と膝の靭帯にかかる張力を抑えることができるのが特徴です。ニーエクステンションで膝を伸ばす角度が180° ≥ θ(knee) ≥ 150°の場合、胴体を前傾し、足を膝より前に置くことで、後十字靭帯への負荷が大きくなります。逆にθ(knee) ≤ 130°の場合は負荷が小さくなります。中間の150° > θ(knee) > 130°では、この動きが足への体重配分によって変化します。この条件下で、前十字靭帯の張力を強化する条件を説明することができます。この研究を通して、筋力トレーニングやリハビリテーション・プログラムにスミススクワットを利用する際の注意点が分かるようになります。

レッグエクステンションマシンを使用する際に膝関節にかかるせん断力を最小化するために

Biscarini A.

本研究ではレッグエクステンションマシンを使った膝の屈伸運動を生物力学的観点から分析するモデルを開発しました。膝関節にかかる負荷のうち、せん断方向に働くもの(phi(t))は、マシンの基本要素(身体に当たるパッドの位置、カム/プーリーシステムの配置、ウエイトスタックの選択など)および、関連する運動学的パラメータの瞬間的な値(ひざを曲げる角度(theta(f))、曲げる速度および加速度)を材料として算出されます。膝の屈伸軸と身体に当たるパッドの位置との最適な距離((a(R))(OPT))は、膝関節にかかるせん断力(phi(t))の最小値から導き出されます。この距離の(a(R))(OPT)は関節の屈曲速度とはほぼ無関係ですが、明らかに抵抗の大きなトルクによって、抵抗レベルやカム/プーリーの配置からの影響を受けなくなります。すなわち、theta(f)>40度の条件では、パッドを下肢に沿って遠心に配置することで、負荷phi(t)が最小化されます。theta(f)<or=40度の場合は、膝を伸ばす動作中にはパッドを求心方向に、膝を曲げる動作中には遠心方向に動かし続けることで、負荷phi(t)を完全になくすことが可能です(0.17 m<or=(a(R))(OPT)<or=0.4 m)。膝を曲げる際の加速度やハムストリングスの共収縮がある場合には、前もって予測することは不可能ですが、それらを考慮しなくても、(a(R))(OPT)の値は関節の保護に十分役立つものとなります。本研究は、レッグエクステンションマシンを使用する際、せん断方向に働く力(phi(t))の値を最小化する設計や、医療現場での利用にあたって理論的基盤を確立するものとなりました。

MyWellnessキーによる運動モニタリングの信頼性と有効性

Sieverdes JC, Wickel EE, Hand GA, Bergamin M, Moran RR, Blair SN.

背景―本研究ではMyWellnessキー加速度計(MWK)の信頼性と有効性の尺度を、トレッドミル運動負荷試験と間接熱量測定法によって検証しました。
手法―被験者25人が、20分間4段階のトレッドミル・プロトコールを2種類、2台のMWK加速度計を着用して実施しました。信頼性の評価は未加工のデータを使って行いました。有効性については、呼吸による熱交換の値とMWKで計測された酸素消費量の推定値を比較して評価しました。
結果―信頼性について、全体および項目別の評価値は良好でした(全相関係数> 0.93)。一般化可能性の係数は、走行スピード(0.70)においては歩行スピード(相関係数> 0.84)と比較して低い値を示しました。これは被験者全体を100%とする時68%~88%と大部分を占める参加者から導き出されたものです。妥当な有効性は全体(ピアソンの相関係数= 0.895-0.902、p値< 0.0001)で確認されました。ここでの全体とは絶対誤差16.22%で変動係数16.92%の状態です。Bland-Altmanの構想では、走行中のエネルギー消費に過大評価が見られました。しかし、プロトコール中の総消費キロカロリーは、約10%の過小評価となりました。
結論―軽度から中程度のウォーキングにおける有効性は高いものの、ランニングではやや過大評価となりました。MWKは医療従事者や研究者が運動の啓発や評価に利用したいときに有用と考えられます。

糖尿病と筋力の関係―糖尿病にみられる骨や筋肉の異常(SAMBA)を決定する要因の診断に関する研究

Balducci S, Sacchetti M, Orlando G, Salvi L, Pugliese L, Salerno G, D'Errico V, Iacobini C, Conti FG, Zanuso S, Nicolucci A, Pugliese G; SAMBA Investigators(糖尿病にみられる骨や筋肉の異常(SAMBA)を決定する要因の診断に関する研究
チーム)

背景とねらい―遅発性運動神経不全を除き、糖尿病が筋力に影響を及ぼす要因はあまり知られていません。本研究では糖尿病の症状と筋力との関係を判断することを目的とし、末しょう神経のさまざまな機能、症状の重さが異なる血管障害を対象範囲としました。
手法と評価―1型、2型糖尿病の患者400人(1型が年齢46.4 ± 13.9歳、2型が65.8 ± 10.3歳)を「糖尿病にみられる骨や筋肉の異常(SAMBA)を決定する要因の診断に関する研究(SAMBA)」がテストし、上半身・下半身で筋肉の長さが変わらずに力を発揮する最大の状態を動力測定法で測定しました。筋力との相関性を求めるために単変量、多変量解析とも用いました。アイソメトリック運動をするときの筋力は、上半身でも下半身でも、糖尿病合併症のない人よりも著しく低下していました。単変量解析では、年齢、糖尿病にかかった期間、運動能力(PA)レベル、心肺持久力、人体寸法の値、合併症の代替的測定値、感覚神経・自律神経の変動には強い相関関係がありましたが、運動神経(振幅以外)とは相関が見られませんでした。多変量解析では上半身・下半身の筋力と男性であることは「独立(相関なし)」でした。逆に年齢、振動感覚をはじめとする運動神経のスコア(または個々の運動機能の異常)には相関がありましたが、運動機能、感覚機能には相関がありませんでした。糖尿病にかかった期間とPAレベルについてはこのモデルから除外しています。
結論―上半身・下半身とも、筋力と糖尿病合併症には相関関係があり、感覚神経のデータとはかなり強い相関、自律神経の機能とは著しい相関関係がありました。
糖尿病にかかった期間とPAレベルは除外しても、運動神経の損傷の症状以外にこのメカニズムに関わっている要素が示唆されています。臨床試験の登録番号・日付はNCT01600924; 05.06.2012です。

2型糖尿病とメタボリックシンドローム患者がトレーニングを行うことで、体重減少とは別に、エクササイズ方式によっては抗炎症効果を得られることを確認

Balducci S1, Zanuso S, Nicolucci A, Fernando F, Cavallo S, Cardelli P, Fallucca S, Alessi E, Letizia C, Jimenez A, Fallucca F, Pugliese G.

背景とねらい―本研究ではエクササイズ方式の違いによる効果を調査しました。調査対象は2型糖尿病とメタボリックシンドロームの患者のC反応性蛋白(hs-CRP)と炎症の程度を示す炎症マーカーです。
手法と結果―82名の患者をランダムに4つのグループに分け、運動不足のコントロールを行いました。
(A)カウンセリングを受けて軽度の運動をする
(B)運動処方を受け、監督下で高強度の有酸素運動を行う
(C)Bに加え筋力トレーニングを行う
(D)エクササイズを12カ月間行う(カロリー消費量を一定に保つ)。
以上のグループを対象に、余暇に体を動かしたことや体調のよさの評価、心血管系疾患の発症リスク要因、炎症バイオマーカーについて調査開始時から3カ月ごとに評価しました。グループB~Dでは運動量が増加し、HbA(1c)(ヘモグロビンA1c)は減少しました。グループCとDでは、最大酸素摂取量、インスリン抵抗性の指標、HDLコレステロール、ウエスト周囲、アルブミン尿の値が改善しました。しかし、筋力と柔軟性が向上したのはグループDのみです。炎症の指標である高感度CRPは、グループB~Dすべてで減少しました。ただし、減少が著しかったのはグループCとDで、グループDが最も減少しました。エクササイズ方式を変えて最大酸素摂取量が変化することが、体重に関係なく高感度CRPが減少する大きな要因になりました。グループCとDでは脂肪細胞から分泌されるレプチン、レジスチン、インターロイキン6は減少してしまいますが、アディポネクチンという善玉物質は増加しました。グループDでは、抗ウイルス作用などがあるインターロイキン1β、腫瘍壊死因子TNF-α、インターフェロンIFN-γは減少してしまいますが、抗炎症性サイトカインのIL-4、IL-10はこのグループのみ増加しました。

結論―メタボリックシンドロームを持つ2型糖尿病の患者が運動をすると、体重の減少とは別に、高感度CRPなどの抗炎症性物質やインスリン抵抗性の指標が著しく減少する効果があります。高強度の運動(有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが望ましい)を長く続けて、昼間には体を動かす活動も加えれば、糖尿病発症を抑える抗炎症作用が顕著に得られるのです。

歩行、走行スピードに対するMyWellnessキーの有効性

Bergamin M1, Ermolao A, Sieverdes JC, Zaccaria M, Zanuso S.

この研究ではMyWellnessキー加速度計(MWK)の有効性をトレッドミル運動のプロトコールによって検証しました。運動強度別に客観的な時間計測を行うため、運動強度の違いを明確に定義することが必要でした。
被験者は男性15人、女性15人でした(年齢 = 24.5 ± 2.6 years、BMI = 22.5 ± 2.5 kg·m(-1))。被験者は5分間のトレッドミル・プロトコールを歩く速度を変えて(3, 4.5, 6 km·h(-1))4セット、MWK加速度計を着用して実施しました。酸素消費量は間接熱量測定法(ICVO2)で測定しました。
結果―MWKから推定される酸素消費量(MWKVO2)と間接熱量測定法で測った酸素消費量(ICVO2)にはきわめて高い相関が得られました(r = 0. 944; p < 0.001)。標準誤差(SEE)= 2.42 mL·kg(-1)·min(-1)でした。MWKVO2とICVO2、2つの計測方法の平均差は以下の通りです(単位ml/kg/分)。-0.79 (3 km·h(-1)で-8. 8%)、-0.02(4.5 km·h(-1)で-0.2%)、0.51(6 km·h(-1)で3.3%)、-0.74(8 km·h(-1)で-2.7%)。速度が3 km·h(-1)のときのみ、基準値と比べて統計的に有意に高い値(p < 0.001)を示しました。Bland- Altman分析では、各予測値を平均して1MET以下の差しかなく、標準誤差の精度内で、2つの中程度の歩行スピードでは特に、分布に緊密な関連がありました。
結論―この研究では標準誤差を低い数値に抑えた上で、酸素利用とMWKの間に、高い相関を見出すことができました。この結果は、加速度計が歩くことや走ることに関わる運動強度を明らかにするために有効であることを示しています。新しい単軸加速度計であるMyWellnessキーの初の検証ラボで、中~高スピードの歩行中の運動強度推定に良好な結果を残せたことが成果です。他の検証ラボと比較しても、MyWellnessキーの運動強度センサーは他の加速度計と遜色ない精度でした。MyWellnessキーの使用により、さまざまな歩行メニューで有効な測定結果が得られ、また健康増進研究の被験者にリアルタイムのフィードバックを提供することができました。

ゴムチューブ抵抗を使った運動療法での関節にかかるトルクおよび反動力の定量化と最適化

Biscarini A.

単関節動作に適したゴムバンドを使ったエクササイズでの、抵抗特性および関節への負荷(例:関節の反動力によるせん断や圧縮)を明確に特徴づけるモデルが開発されました。このモデルはバンドの図形的な特徴やゴムの性質、バンドのプレストレッチ、関節の回転軸との位置、バンドの固定点などを明らかにします。関節の屈曲角度によって変化する、ゴムの上下、下向き、上向きそれぞれのトルク性能が明らかになりました。その結果から、アイソメトリック(等尺性収縮)/アイソキネティック(等速性収縮)が最大のとき、平均ユーザーの膝伸筋(ハムストリングス)のトルクを最大に発揮するためのゴム抵抗の設定が決まります。設定が最適であるとき、くるぶしの外側(内側)の筋肉を引っ張る作用に反応した膝関節の抵抗によるせん断力は、回転が大きくても抵抗の値を均等にするカム式のレッグエクステンションマシンが生み出す(のとほぼ同じ)力と比べて65%抑えることができました。一方、膝関節の反動による圧縮方向の力は22%増加しました。ウエイトスタック式のレッグエクステンションマシンと比べ、最適化されたゴムバンド・エクササイズは、可動域全体にわたって大腿四頭筋に効果的な刺激を与える可能性があります。さらに、従来のゴムバンド運動の難点であった、ゴムが引っ張られる方向に膝の靭帯が引っ張られる負荷を大いに軽減することができます。

レバー調整式マシンによる単関節のバランス運動のバイオメカニクス

Andrea Biscarini

レバー調整式マシンによる単関節のオープンキネティックチェーン・エクササイズと、関節の回転軸(J)と負荷をかけるレバー(「バランス」運動)の回転軸(C)の相対的配置について、2次元のバイオメカニクスモデルを開発しました。このエクササイズは図形的な面では次のような特徴を持っています。つまり関節の角度は、身体に当たるパッド(P)と関節の回転軸(J)の間の距離や、CPとJPの間の角度(例:負荷設定レバーと運動している手足との間の角度)によって変わります。こうした変化は、関節運動学及び選択したウエイトスタックの重さによって、逆動力的問題の観点から、間接にかかる負荷と筋肉のトルクに大きく影響します。そのため、筋肉のひねりやせん断、関節の軸にかかる負荷は理論的に、CとJの位置関係やCPの長さを関数として算出することが可能です。さらに、関節の運動、マシンの構造、外部から加わる負荷などの条件を加えることも必要です。これらの結果から、この研究では「バランス」運動のカムの最適な設定を導き出すことができました。また、レッグエクステンションマシンでの運動時に膝関節にかかるせん断力を最小化する、「バランス」運動の図形的な処理も可能になりました。

高齢者のストレングストレーニングが、精神状態、不安、筋力向上にもたらす効果

Silvano Zanuso, John C. Sieverdes, Nicholas Smith, Attilio Carraro, and Marco Bergamin

本研究は高齢者(65歳以上)を調査対象とし、ストレングストレーニングが不安、精神状態、運動時の気分などに与える影響の評価を目的として行いました。男女20人の被験者が、12週間のストレングストレーニング・プログラムを実施しました。被験者は無作為に、被介入グループと、対照となる被制御グループに分割されました。実験の結果、介入グループの筋力のスコアには著しい改善が見られました。不安を感じる特性は、両グループで減少しました。調査期間の12週間にわたって参加者の精神状態を分析した結果、被制御グループでは「気力・行動力」の面で著しい低下が見られたのに対し、被介入グループでは変化が見られませんでした。トレーニングプロトコールにしたがって運動を行った被介入グループは、ネガティブな精神状態に陥ることが著しく減少したというデータが得られました。本調査では、12週間ストレングストレーニングを行うことで、著しい筋力アップと、心理面全般にわたる穏やかな改善が見られました。

MyWellnessキー加速度計の評価

Herrmann SD1, Hart TL, Lee CD, Ainsworth BE.

研究のねらい―身体活動(PA)測定器としてのテクノジム MyWellnessキー加速度計の妥当性を、主観的・客観的に検証しました。
調査設計―2つのフェーズを無作為に行き来する横断的設計を採用しました。まず研究室内では、MyWellnessキー、ActiGraph GT1M、Yamax SW200 Digiwalkerという3種の歩数計をそれぞれ装着して水平のトレッドミル上を歩行し、毎分速度を上げて比較を行いました。また、日常生活における歩行について、MyWellnessキー、ActiGraph、Digiwalkerを7日間連続して装着し、ブシャール版活動記録コード(BAR)と国際標準化身体活動質問紙(GPAQ)を用いて比較しました。すべての比較項目について、スピアマンの順位相関係数を使ってデータを分析しました。
実施環境―研究室と被験者の生活圏
被験者―回答者に適した41人の中から、性別と運動レベルのみを基準に以下の16人を無作為抽出しました。男性8名、女性8名、運動レベルは低=4人、中=8人、高=4人です。
結果―MyWellnessキーとActiGraph加速度計には、制御された水平のトレッドミル上を歩行する場合(r=0.91, p<0.01)でも日常の歩行(軽度r=0.73~強度r=0.76, p<0.01)でも強い相関関係がありました。しかし、MyWellnessキーとBARやGPAQの回答には相関が見られませんでした(p>0.05)。
結論―MyWellnessキーは身体活動の測定において、制御された研究室内、日常生活の何れの環境下でも、ActiGraph加速度計と同等の妥当性を持つことを検証しました。

2型糖尿病に関わる心臓血管のリスク要因を軽減するための高負荷エクササイズによる治療介入戦略の効果―ランダムコントロール試験:イタリアにおける糖尿病と運動の研究(IDES)

Balducci S1, Zanuso S, Nicolucci A, De Feo P, Cavallo S, Cardelli P, Fallucca S, Alessi E, Fallucca F, Pugliese G; Italian Diabetes Exercise Study (IDES) Investigators.

イタリアにおける糖尿病と運動の研究(IDES) 研究チーム
背景―本研究は、2型糖尿病(T2DM)の患者に対して、身体活動(PA)を促し、HbA1c(ヘモグロビンA1c)レベルなど軽減可能なリスク要因を改善することを目的とした、高負荷エクササイズによる治療介入戦略の効果を評価するため実施されました。
手法―2型糖尿病とメタボリックシンドロームを持ち運動不足の状態にある患者691人が被験者となり、うち606人はイタリア国内22カ所の糖尿病クリニックに通院する外来患者が占めています。被験者はクリニック、年齢、治療内容を基準に無作為抽出され、週2回、監督付きの有酸素および筋力トレーニングを行い、体系的なカウンセリングを受けるエクササイズグループと、対照としてカウンセリングのみの制御グループに分かれました。実験結果として第一にヘモグロビンA1cレベル、次に他の心臓病リスクスコアを収集しました。
結果―エクササイズグループでPA(週あたりのカロリー消費時間)平均値(SD)の顕著な上昇(P < .001)が見られ、「PA合計 [指導以外の自発的PA +指導されたPA], 20.0 [0.9], 無監督, 12.4 [7.4]」である一方、統制グループは「10.0 [8.7]」となりました。
制御グループとの比較では、運動指導によって次のような著しい改善が見られました。体力(平均差 [信頼区間95%])、ヘモグロビンA1cレベル(-0.30% [-0.49% to -0.10%]; P < .001)、血圧(-4.2 mm Hg [-6.9 to -1.6 mm Hg]; P = .002)、拡張期血圧(-1.7 mm Hg [-3.3 to -1.1 mm Hg]; P = .03)、高密度リポ蛋白質=HDLコレステロール(3.7 mg/dL [2.2 to 5.3 mg/dL]; P < .001)、低密度リポタンパク質=LDLコレステロール(-9.6 mg/dL [-15.9 to -3.3 mg/dL]; P = .003)、ウエスト周囲(-3.6 cm [-4.4 to -2.9 cm]; P < .001)、BMI、インスリン抵抗値、炎症などのリスク要因です。制御グループでは、これらの項目の改善はわずかでした。
結論―エクササイズによる治療介入戦略はPAを促進し、ヘモグロビンA1cなどの心臓血管のリスク要因改善に効果が認められます。その反面、カウンセリングだけでは、たとえ指定の運動量を消化しても、心臓血管のリスク要因を改善する効果は限定的でした。
このことから、リスクの高い項目にはさらに多くの運動量が必要であることが提示されます。臨床試験のISRCTN登録番号はISRCTN04252749です。

2型糖尿病を管理するためのエクササイズについて、エビデンスを検証する

Zanuso S1, Jimenez A, Pugliese G, Corigliano G, Balducci S.

本研究は、運動と代謝の相互関係についての、より明確なエビデンスを厳密に検証することを目的に実施されました。ここで議論するエビデンスは、ランダム化比較実験、メタアナリシス、コホート研究といった手法で得られたものです。最近の専門文献で取り上げられる研究課題は、次の3つの領域、すなわち有酸素運動、筋力トレーニング、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせに分類することができます。検証の結果、有酸素運動の効果は十分確立されており、強度の有酸素運動プログラムによる治療介入はHbA1c(ヘモグロビンA1c)の減少効果が大きく、最大酸素摂取量(VO2 max)およびインスリン感受性の向上が確認されています。入手したエビデンスから考察すると、筋力トレーニングは血糖コントロールの補助手段として、有酸素運動で同様の実験を行った場合と比較して、効果があると考えられます。筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせた場合の相乗効果や血糖コントロール機能の向上については、それほど多くのエビデンスが得られませんでした。しかし、入手したエビデンスからは、有酸素運動だけ、筋力トレーニングだけよりも、両方を組み合わせて実施する方がヘモグロビンA1cの変化が顕著であることが判明し、組み合わせによってさらなる改善が期待できると考えられます。

Voluntary enhanced cocontraction of hamstring muscles during open kinetic chain leg extension exercise: its potential unloading effect on the anterior cruciate ligament.

Biscarini A1, Benvenuti P2, Botti FM3, Brunetti A4, Brunetti O3, Pettorossi VE3

BACKGROUND: A number of research studies provide evidence that hamstring cocontraction during open kinetic chain knee extension exercises enhances tibiofemoral (TF) stability and reduces the strain on the anterior cruciate ligament.

PURPOSE: To determine the possible increase in hamstring muscle coactivation caused by a voluntary cocontraction effort during open kinetic chain leg-extension exercises, and to assess whether an intentional hamstring cocontraction can completely suppress the anterior TF shear force during these exercises.

STUDY DESIGN: Descriptive laboratory study.

METHODS: Knee kinematics as well as electromyographic activity in the semitendinosus (ST), semimembranosus (SM), biceps femoris (BF), and quadriceps femoris muscles were measured in 20 healthy men during isotonic leg extension exercises with resistance (R) ranging from 10% to 80% of the 1-repetition maximum (1RM). The same exercises were also performed while the participants attempted to enhance hamstring coactivation through a voluntary cocontraction effort. The data served as input parameters for a model to calculate the shear and compressive TF forces in leg extension exercises for any set of coactivation patterns of the different hamstring muscles.

RESULTS: For R≤ 40% 1RM, the peak coactivation levels obtained with intentional cocontraction (l) were significantly higher (P < 10(-3)) than those obtained without intentional cocontraction (l 0). For each hamstring muscle, maximum level l was reached at R = 30% 1RM, corresponding to 9.2%, 10.5%, and 24.5% maximum voluntary isometric contraction (MVIC) for the BF, ST, and SM, respectively, whereas the ratio l/l 0 reached its maximum at R = 20% 1RM and was approximately 2, 3, and 4 for the BF, SM, and ST, respectively. The voluntary enhanced coactivation level l obtained for R≤ 30% 1RM completely suppressed the anterior TF shear force developed by the quadriceps during the exercise.

CONCLUSION: In leg extension exercises with resistance R≤ 40% 1RM, coactivation of the BF, SM, and ST can be significantly enhanced (up to 2, 3, and 4 times, respectively) by a voluntary hamstring cocontraction effort. The enhanced coactivation levels obtained for R≤ 30% 1RM can completely suppress the anterior TF shear force developed by the quadriceps during the exercise.

CLINICAL RELEVANCE: This laboratory study suggests that leg extension exercise with intentional hamstring cocontraction may have the potential to be a safe and effective quadriceps-strengthening intervention in the early stages of rehabilitation programs for anterior cruciate ligament injury or reconstruction recovery. Further studies, including clinical trials, are needed to investigate the relevance of this therapeutic exercise in clinical practice.

科学審議会

テクノジムの科学審議会は、大学、医療、科学の各界から選出した委員で構成され、効果的な健康関連ソリューションの開発に向けた助言を行っています。
Silvano Zanuso(シルバーノ・ザヌーソ)博士
Silvano Zanuso(シルバーノ・ザヌーソ)博士

テクノジム 医療・科学部門 ディレクター

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Massimo Massarini(マッシモ・マッサリーニ)医師
Massimo Massarini(マッシモ・マッサリーニ)医師

テクノジム メディカルディレクター

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Ken Fox(ケン・フォックス)教授
Ken Fox(ケン・フォックス)教授

ブリストル大学(英国) スポーツ・栄養・健康科学センター 教授(スポーツ科学)

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Brent Alvar(ブレント・アルヴァー)博士
Brent Alvar(ブレント・アルヴァー)博士

ロッキーマウンテン健康産業大学(米国) 共同大学院プログラム 健康増進・ウェルネス専攻 ディレクター

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Jay Hoffman(ジェイ・ホフマン)教授
Jay Hoffman(ジェイ・ホフマン)教授

セントラルフロリダ大学(米国) 教育・行動学カレッジ 教育・人文学部 学部長

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Tim Church(ティム・チャーチ)博士
Tim Church(ティム・チャーチ)博士

米国ルイジアナ州、ペニントン生物医学研究センター 予防医学研究室ディレクター

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Steve Blair(スティーヴン・ブレア)教授
Steve Blair(スティーヴン・ブレア)教授

サウスカロライナ大学(米国) アーノルド公衆衛生学部 教授

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Andrea Biscarini(アンドレア・ビスカリーニ)教授
Andrea Biscarini(アンドレア・ビスカリーニ)教授

ペルージャ大学(イタリア)医学部 准教授

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